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愛法と呪法の博物誌

愛法と呪法の博物誌

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藤巻一保

978-4-910924-02-1
四六判・上製・430頁
価格:4,950円(税込)

 本書は古今東西にわたる奇怪で珍妙な呪法を紹介した1冊です。
第一章は浮気封じに恋占い丑の刻参りなどの色恋の関する愛憎の呪法、第二章は脳髄に糞尿、バイアグラなどの猟奇的薬物とその生成呪法、第三章は悪魔、魔女、巫女に死霊などの黒魔術、第四章は縁起かつぎや摩訶不思議な民間呪文など、第五章はイカサマ呪術やエセ祈祷、第六章は「結び」と呪術の関係、を紹介しています。
そのどれもが「ドロドロ」としたものばかりで、読む人は目を背けたくなるかもしれません。しかし、著者はこのドロドロこそが人間が人間である以上は避けて通れない、人間の本質的・根源的なものであるといい、共生すべきものであるといいます。
「呪法という、逸脱し、暴走した想像力の現場を通して、われわれはむきだしになった、非合理そのものの人間存在と向き合うことになる。人間は、なんと哀れなものだろうと思う方もいるだろうし、だから愛しいという方も、だから度し難がたいと思う方もいるだろう。
 受け取り方は、もちろん各人の自由だ。筆者はただ、この人間社会で実際におこなわれてきたドロドロの現実を示そうと思うのである。」
その思いでこの1冊はまとめられました。
今回、新たな版として図録含めて大幅に修正するにあたり、著者は原著で示したこの状況は、現代になり、より一層混沌としたものに向かっていると指摘します。
「これは人類が初めて経験する事態だ。
 人間そのものが抱える「ドロドロの現実」は昔と同じでも、人間社会を成り立たせ、動かしていく仕組そのものが、根本から変わってきている。古人と同じようにモノや人や自然とじかに関わりあいながら生きることができない新たな世の中で、人間の心がどうなっていくのか、先行きは見えない。
 愛法も呪法も、自然の中で働いている心霊的なものとの関係を取り結び、利用し、動かすために行われてきた。けれどもいま、心霊的なものの領域は、着実にサイバー空間へと移行し始めている。サイバー空間自体が、体外に生み出された目に見えない巨大な無意識領域、心霊主義の立場でいえば、巨大な霊界になりつつあるのだ。本書を読み返しながら、そんな思いを強くした。」
本書で紹介される数多の呪法、そのドロドロが読者にとってどのように作用するのか、精神のガス抜き的安全弁なのか、人格崩壊につながる禁断の麻薬なのか、それは各自が判断していただければと願います。
※本書は『呪いの博物誌』(2005年、Gakken)に大幅な加筆修正を加えて改題したものです。

【目次】
はじめに
◆第一章 愛執の呪詛
〇因果な男の浮気封じ
遊女の媚術/“しんこ男根”で勃起封じ/男根の酢漬け/「定吉二人キリ」

〇逢魔が辻の恋占い
魔のひそむ辻/黄楊の櫛で占う恋の行方/世につきまじは恋のまじない

〇呪い釘・呪い針の厭魅
女と嫉妬と生き地獄/草木も凍る「丑の刻参り」/四十九本の“頭のない釘”/呪いのスルメ/車谷長吉の呪詛

〇厠の逢引、冥府の道行
あの世に通じる便所の穴/便槽に浮かび上がる“未来の夫”/遊女と厠神/厠という他界

◆第二章 禁断の魔薬
〇脳髄からつくる闇の秘薬
「霊天蓋」のアブない原料/生首の売買/人体薬の値段/墓をあばく鬼畜/闇にうごめく臓器仲買人

〇聖なる糞尿と賢者の石
死者も生き返る「破棺湯」/糞便は人類の夢の万能薬?/白い肌をつくる黄色い化粧水/本当はおぞましい「賢者の石」

〇女を虜にする淫の黒焼き
蠱物と呪術/精液の黒焼き/中国の愛の呪術/江戸時代のバイアグラ/接して漏らさずVS接して吸いこめ

◆第三章 異端の蠱物
〇神の宿りし陰毛の霊験
福を招く“お化け陰毛”/神の陰毛の幸う国/千里を走る寅年女のヘア/陰毛に隠された悪魔の刻印/人心を操る魔毛のパワー/神の宿る毛

〇猟奇の屍体と鬼神祭祀
呪われた「栄光の手」/魔女の軟青の言えない中身/蠱物死体の条件と猫の怪異/戦慄の中国殺人祭鬼/首吊り縄で病気が治る?/博打で勝利する「血像」

〇巫女の外法箱と秘密本尊
“拝み屋さん”の不思議な力/外法箱の中の秘密本尊/異相の生首との生前契約/予言をさえずる外法人形

〇死霊の崇り、死魂の怨念
闇に葬られた水子の念/崇りを封じる逆さ葬法/“黄泉帰り”封じ/産女の怪/生ける屍と吸血鬼幻想

◆第四章 笑呪の禁厭
〇縁起かつぎのお笑いまじない
便所には「南天を埋めて良し」/蜂刺されに「九」、おできに「牛」/人麻呂で人が生まれて火も止まる/滑稽な呪文に託された古人の智恵

〇摩詞不思議な民間呪文
ちちんぷいぷい/秘呪中の秘呪/題目・念仏と合体した大日真言/イワシの頭も信心から

◆第五章 妖魔の邪術
〇イカサマ呪術にエセ祈祷
信じる者は救われない?/種も仕掛けもある怪異現象/霊媒師の賑しのテクニック/女郎の男殺し、医者の本殺

〇妖巫邪覡の神秘商売
皿女と女スパイ/ノノウ村より愛をこめて/イカサマ師と陰陽師は紙一重/疫神から伝授された避疫の法/大繁盛の呪術商売

〇魔物の正体を見破る法
名は妖魔の正体をあらわす/「キツネの窓」から異境を覗く/ガマの油の不思議な魔力/“眉唾”ではない魔除けの話

◆第六章 鎮魂の秘呪
〇結びの花咲く国ニッポン
「結び」は神代の昔から/宮中鎮魂祭の秘儀『魂の緒結び」/開けてはならない「魂手箱」/ホドキの呪術/魔女の結禁糸/うるわしき日本の花結び――結びにかえて

【著者プロフィール】
藤巻一保(ふじまき・かずほ)
1952年北海道生まれ。作家・宗教研究家。中央大学文学部卒。
雑誌・書籍編集者を経たのち、宗教を軸とした歴史・思想・文化に関する著述活動を行う。
東洋の神秘思想、近代新宗教におけるカルト的教義と運動に関する著作を数多く手がけている。
主な著書に『密教仏神印明・象徴大全』(太玄社)、『アマテラス:真の原像を探る』、『役小角読本』(以上、原書房)、『安倍晴明『簠簋内伝』現代語訳総解説』、『秘教Ⅰ―日本宗教の深層に蠢くオカルティズムの源流』、『秘教Ⅱ―現代語訳で読む秘儀・呪法の根本史料』、『秘説 陰陽道』(以上、戎光祥出版)、『天皇の秘教』「エソテリカ」シリーズ(以上、学研プラス)などがある。

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